SNS詐欺に見るマーケティング〜SNSで騙されないために〜

マーケティング&コミュニケーション
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自分でホームページを作って発信するようになってから、何人かのSNS詐欺師に出会いました。Facebookでの友達申請が届き、見知らぬ人でも自分のブログに興味持ってくれたのかと思い、やりとりを始めます。ほとんどはFacebook、Messengerでのやりとりは慣れていないのでLINEでお話ししましょうというパターンになります。

仕事、趣味、お互いの写真交換をして、「おはよう」の挨拶から「今、何してるの?」「お昼は何を食べた?」そして「おやすみなさい」まで、普通にやりとりをしていきます。何日か連絡を取り合っていくうちに、相手が「~の投資をして~百万円の利益を得た」ということを言い出します。そして「一緒にその投資をやらないか?」という流れで、少ない金額ならいいかと始めます。金市場、仮想通貨市場、外貨FXなど投資先は様々です。

最初は10万円ほどの振り込み、1時間程度で相手が取引の指示を出し、その通りにやっていくと20%ぐらいの利益が出ます。その市場に資金を振り込む時、資金を引き出す時、その市場のカスタマーサポートに連絡をしてお金を移動させます。最初の資金移動ではカスタマーサポートに連絡して資金を引き出せます。

毎日の仕事のこと、食事のこと、趣味のことなど、相手から連絡がくるのでやりとりを続けます。そして相手が「今度、大きな取引がある。アナリストが今年、最大のチャンスになる」と言い出します。それからまた市場取引に参加していくと、利益も増え、元金も増え、さらに資金を振り込むように求めてきます。「私たちの将来のためにもっと資金を増やしておく必要がある」と。

詐欺師がターゲットを巻き込むプロセスには巧妙なマーケティング手法が使われています。

プロセスごとにSNS詐欺の内容を分解してみると、

SNSで顧客をリサーチ・認知:SNS上に記載されている年齢、職業などのデモグラフィック情報を参考にしながら詐欺師は顧客を探す、つまり友達申請を行います。

友達として様々なテーマへの興味喚起:友達になったら詐欺師は毎日の行動や習慣、趣味、食事、性格など、やり取りを繰り返して顧客のペルソナ情報を把握します。

投資への検討へ誘導:毎日のやり取りの中でお金の話を交え、詐欺師自身が自分の投資でいかに利益を得たかをPRし、相手を誘います。

ハードルを下げて購入に誘う:最初は少額。何回か投資を試すと利益がプラスされ元本が増えていきます。そしてより多額の投資を進めます。詐欺師は顧客がいくら資産を持っているのか、ペルソナ情報を元に推測しつつ、繰り返し追加投資を求めます。

未来への投資ストーリーで憧れを生成:投資で資金が増えれば、将来幸せになれる、一緒に頑張ろう、と未来のストーリーを詐欺師は語ります。

詐欺行為が拡散しづらい仕組み:SNS詐欺師は自分の氏名、写真、年齢、職歴など架空人物として設定している場合がほとんどです。毎日のようにメッセージのやりとりしていても、突然、返信が来なくなったり、既読にすらならなくなったりしたら、それで繋がりは終わりです。写真の加工も簡単にできますし、詐欺師を特定できない以上、騙された方はどうしようもなくなります。警察に被害届を出しても、個人が特定できなければ追跡もできません。詐欺事件は事例紹介としてネットに載るにとどまり、リアルな情報は拡散されにくいと言っていいでしょう。

直接の出会いが制限される今、SNSは簡単に知り合いの輪を広げられる便利なツールです。しかしながら残念なことに詐欺狙いの架空の人物がたくさん存在するのは事実なのです。

参考までに「SNS詐欺師の見分け方~SNSで騙されないために~」もご覧ください。https://ymymiura.com/?p=843

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