私が宣伝の仕事に関わり始めた30年ほど前から今でもよく「TVCMは4回視聴しなければ記憶に残らない」ということが言われていました。そのためにはTVCMスポット予算とターゲットに届けるための宣伝費はこのぐらい必要というのが、AE(アカウントエグゼクティブ)の決まり文句のようでした。ある面では正しいですが、自分に照らし合わせてみると、その中身、つまりクリエイティブコンテンツの質にかなり左右されると思っています。
私が当時所属していた松下電器の宣伝事業部には「宣伝の基本」それぞれの部署に担当者の心得がありました。
【松下電器 制作担当者の心得】
◎コピーはわかりやすくなっていますか。
・魅力的ですか
・訴えることは一つに絞られていますか
・書き過ぎていませんか
◎レイアウト、編集は新鮮で、自信にあふれていますか。
◎映像はハッと思わせますか。
これは今でも通用するな、と思います。マスコミ宣伝中心からSNSを筆頭とするWEBコミュニケーション全盛になり、受け身でコンテンツを見る機会は若い世代を中心にどんどん減ってきていると思いますが、テレビであれPCやスマホであれ、数秒で見る側の気持ちを動かす、ビジュアル+サウンド+コピーに求められるものは、何かしら新しい要素が凝縮されているコンテンツだと思います。コミュニケーション手法は目まぐるしく変化していきますが、見る側の心には変わらないものがあるような気がします。
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