「希望の桜」活動を行なっていた頃、ケニアで環境の国際NGOに所属している人から頂いた物語をご紹介します。
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四つのキャンドルが静かに燃えていました。
とても静かだったので、ろうそくの話し声が聞こえてきました。
ひとつめのキャンドルが言いました。
私の名は平和。私が燃えていても、人は平和を保とうとしない。
皆、私を必要としないのだ。
炎は次第に小さくなって、やがて消えてしまいました。
ふたつ目のキャンドルは言いました。
私の名は信頼。しかし私はもう不要だ。
誰も神を知ろうとさえしななくなったのだから。
それからふっと風が吹き、その光は消えてしまいました。
みっつ目のキャンドルは言いました。
私の名は、愛。でももう燃える力がないのです。
人はみな、愛してくれる他の人を考えず、
自分のことしか見ようとしないから。
炎は最後の光をきらめかせ、消えてしまいました。
それから女の子が部屋に入ってきました。
なぜみんな消えてしまったのだろう。
よっつ目のキャンドルが言いました。
恐がらないで。私が燃えれば、
他のキャンドルがもう一度、輝き始めるから。
私の名は、希望。
女の子はマッチを擦って、
よっつ目のキャンドルに火をつけました。
すると他のキャンドルも輝き始めました。
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