超音波ってご存知ですよね。船上から海の底にいる魚たちを見つける時に使う魚群探知機もそれを利用しています。私の社会人としてのスタートは超音波診断装置の設計・開発をする技術者でした。
超音波診断装置は生まれる前のお腹にいる赤ちゃんを診断したり、心臓や肝臓といった臓器をリアルタイムの断層像で見えるようにするものなのです。
産婦人科の臨床試験に医師でもないのに立ち会って、ドキドキしていた時代がありました。妊娠3ヶ月ぐらいで始めて産婦人科の門をくぐる方は常に、とても緊張をした表情をされています。その時、爪の先ぐらいのとても小さな心臓が見えて、その弁が数ミリだけど、せわしくせわしく脈打っている。生命が宿っていることが証明される瞬間です。
お腹の中で赤ちゃんは音を聞いています。母の血流の音。そして母が聴く音楽を、母の会話を。
もう20年以上も前になるでしょうか。「お腹の記憶」というラジオCMをスタッフと制作したことがあります。2歳ぐらいまで、母体の中でか経験したことを覚えているのです。
「うるさかった」「気持ちよかった」「ぐるぐるまわってた」…その記憶は程なく消えていくのですが、確かに、その子の人格に影響を与えてしまいそうです。
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